許可申請

建設業許可における登記されていないことの証明

建設業許可欠格要件

建設業法は建設業の許可を受けられない者を規定しています。これを建設業許可の欠格要件といいます。そして、「登記されていないことの証明」はこの欠格要件の一つに該当しないことを証明するための添付書類です。具体的には登記されていないことの証明を提出することで被証明者が、成年被後見人又は被保佐人でないことを証明します。

ところで、旧建設業法第8条1号は建設業許可を受けようとする者又はその役員が、「成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの」に該当する場合は許可をしてはならないと規定していました。すなわち、法改正前は成年被後見人又は被保佐人や、それら者が役員である法人は建設業許可を取得できませんでした。

しかし、法改正によりこの要件は緩和されました。すなわち、現行建設業法8条10号は建設業許可を受けようとする者又はその役員等が、「心身の故障により建設業を適正に営むことができない者として国土交通省令で定めるもの」に該当する場合は許可をしてはならないと規定しています。

そして、現行建設業法8条10号を受けて、建設業法施行規則8条の2は次のように規定しています。

(心身の故障により建設業を適正に営むことができない者)
第八条の二 法第八条第十号の国土交通省令で定める者は、精神の機能の障害により建設業を適正に営むに当たつて必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者とする。

建設業法8条10号及び建設業法施行規則8条の2に基づく管轄官庁の取扱いは次のとおりです。

  1. まず、建設業許可を受けようとする者又はその役員が、成年被後見人又は被保佐人でなければ、建設業法8条10号及び建設業法施行規則8条の2の要件を満たします。
  2. 次に、建設業許可を受けようとする者又はその役員が、成年被後見人又は被保佐人であっても、医師の診断書によりその者が契約締結及びその履行にあたり必要な認知、判断および意思疎通を適切に行うことができることが証明されれば建設業法8条10号及び建設業法施行規則8条の2の要件を満たします。

そして、登記されていないことの証明は、前述のとおり上記1の要件を満たすことを証明するために提出します。

登記されていないことの証明申請書の書き方

請求される方欄

請求される方欄には、登記されていないことの証明申請をする者又は代理人に証明申請を委任した者の住所氏名等を記入します。請求される方と被証明者は多くの場合同じです。

請求される方と被証明者が異なる場合とは被証明者の配偶者又は四親等以内の親族が申請する場合です。なお、配偶者又は四親等以内の親族がその地位に基づいて申請する場合、その申請は代理人による申請ではありません。よって、委任状は不要ですが、戸籍謄本が必要です。

代理人欄

代理人に証明申請を委任した場合はその代理人の住所氏名等を記入します。

添付書類欄

代理人に証明申請を委任した場合は委任状にチェックを入れます。

証明事項欄

証明事項欄には次のいずれかにチェックを入れるようになっています。

  • 成年被後見人,被保佐人とする記録がない。
  • 成年被後見人,被保佐人,被補助人とする記録がない。
  • 成年被後見人,被保佐人,被補助人,任意後見契約の本人とする記録がない。
  • その他

建設業許可の手続きにおいては「成年被後見人,被保佐人とする記録がない。」を選択します。なお、「成年被後見人,被保佐人,被補助人とする記録がない。」又は「成年被後見人,被保佐人,被補助人,任意後見契約の本人とする記録がない。」を選択しても差し支えありません。

証明を受ける方欄

証明を受ける方欄は、被証明者の氏名、生年月日、住所及び本籍を記入します。登記されていないことの証明においては、証明を受ける方欄がそのまま証明書の内容となります。よって、証明を受ける方欄は丁寧に記入することはもちろん、その内容を正確に記入しなければなりません。

ところで、建設業許可において登記されていないことの証明が必要な場合は併せて身分証明書が必要です。そこで、登記されていないことの証明申請をする前に身分証明書取得します。身分証明書には被証明者の氏名、生年月日及び本籍が記載されてありますので、その通りに登記されていないことの証明申請書を記入します。また、被証明者の住所についてはできれば住民票を取得してその通りに記入すべきですが、そうでなければ運転免許証やマイナンバーカードなどの公的書類のとおりに記入します。

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