概要
建設キャリアアップシステムとは、建設技能労働者の労働環境の整備体制です。すなわち、建設技能労働者に対してICカードを交付し、工事現場の入退場でこのICカードを利用することで、建設技能労働者が、いつ、どこで、いかなる職種で働いたのか等の情報を電子的に記録・蓄積します。
また、このICカードには建設技能労働者の保有資格や、受講した講習などの情報も登録できます。
建設キャリアアップシステムを利用するには登録手続きが必要ですが、建設技能労働者の情報は「技能者登録」で登録します。これに対し、建設技能労働者の雇用主の情報は「事業者登録」で登録します。
申請方法
この「事業者登録」及び「技能者登録」の申請方法にはインターネット申請と書面申請があります。書面申請の場合は認定登録機関(要予約)に申請書と添付書類を提出する方法で行います。
また、雇用主たる建設業者が事業者登録をし、その建設業者に勤務する者が技能者登録をする場合は、先に事業者登録をすると申請手続き全体がスムーズにいきます。
事業者登録
事業者登録では建設技能労働者の雇用主の情報を登録します。事業者登録のインターネット申請の流れは次のとおりです。
インターネット申請の流れ
step.1
建設キャリアアップシステムのサイトから申請画面に入ります。
step.2
申請画面で住所・氏名・メールアドレスなどを入力します。
step.3
入力したメールアドレスにIDとパスワードが送付されます。
step.4
建設キャリアアップシステムのログイン画面でIDとパスワードを入力し、新しいパスワードを設定した上で、マイページに入ります。
step.5
マイページの登録画面で必要事項を入力し、登録申請をします。
step.6
登録申請後、登録したメールアドレスに利用料の納付通知が送付されますので、利用料を納付します。
以上がインターネット申請の流れです。
次に事業者登録の必要書類を説明します。この必要書類は「建設業許可を有している」か、及び「事業者が法人か個人か」という基準で異なります。
建設業許可がある場合の必要書類
建設業許可がある事業者の場合の必要書類は
- 建設業許可通知書
です。
建設業許可がない法人の必要書類
建設業許可がない法人の必要書類は
- 事業税の確定申告書※1
又は
- 事業税の納税証明書※2
- 履歴事項全部証明書
です。
※1 法人税の確定申告書でも可
※2 法人税、消費税の納税証明書でも可
建設業許可がない個人事業主・一人親方の必要書類
建設業許可がない個人事業主・一人親方の必要書類は
- 個人事業の開始届
又は
- 事業税の納税証明書※3
又は
- 所得税の確定申告書
です。
※3 所得税、消費税の納税証明書でも可
以上が事業者登録の必要書類です。
建設業許可
このように建設業許可がある場合は、それがない場合に比べて添付書類が少なくて済みます。しかし、建設業許可を取得して間もない事業者は、インターネット申請においてそのシステム上、建設業許可業者として登録ができないことがあります。この場合は一時的に建設業許可を有しない事業所として登録します。
以上が「事業者登録」の概要です。
技能者登録
「技能者登録」では建設技能労働者の情報を登録しますが、技能者登録には「簡略型登録」と「詳細型登録」があります。但し、書面申請の場合は「詳細型登録」のみできます。
そして、「詳細型登録」では、「簡略型登録」の登録項目に加えて、技能者の労災保険・健康診断・保有資格等の情報を登録することができます。
そのため、「簡略型登録」をしている技能者に対しては能力評価制度に基づくレベル判定ができませんので、このレベル判定を希望する技能者は「詳細型登録」をします。
能力評価制度
ところで、能力評価制度とは、建設キャリアアップシステムに登録している技能者の技能と経験を評価する仕組みです。具体的には、技能者はレベル1からレベル4までの四段階に分けれられ、職場でそのレベルに応じた処遇を受けられることがあります。そして、この能力評価は一定の基準に基づき能力評価実施団体が行います。
インターネット申請の流れ
技能者登録のインターネット申請の流れは、事業者登録のそれとほぼ同じです。なお、技能者本人に代わって事業者が技能者登録を代行することもできます。
必要書類
技能者登録における必要書類には様々なものがありますが、技能者本人の顔写真付きの本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)があれば申請手続きがスムーズに進みます。
また、IDカードに添付する顔写真や、技能者の資格などの証明書も必要です。
以上が「技能者登録」の概要です。